キッチンの選び方のお話もいよいよ佳境です。

「システムキッチン」「カスタマイズキッチン」「輸入キッチン」「オーダーキッチン」の違いはお分りいただけたかと思います。


でもまだまだ選択肢はあります。

5.オリジナルキッチン

ここが最近出てきた分野です。ハウスメーカーや家具屋さんなどが自社でキッチンを開発するようになりました。
ハウスメーカーはこれまでも各社が持つ雰囲気を大切にした家つくり、デザインを売りにしています。
そこに既製品のシステムキッチンを当てはめることに無理があることは誰の目にも明らかです。

また最近の家具屋さんは、ただ家具を並べるのではなく、ライフスタイルとしての家具の提案をする店が多くなりました。
ソファーと一緒にラグや照明、雑貨、書籍までも販売しています。

もちろんそれはリビングルームだけではなく、ダイニングテーブルやダイニングチェアー、カップボードなどでも言えることです。

そうするとその背景として視界に入ってくるキッチンが気になるのは当然ですね。汎用のシステムキッチンでは興ざめしてしまいます。

せっかくのLDKというワンルームですから、トータルコーディネートをしないと意味がありません。

逆にいうと、
「このキッチンが欲しいからこのハウスメーカーにする」
「このキッチンがあるからダイニングテーブルやソファーはこの家具屋さんにする」といった選び方が当たり前なのかもしれません。

6.造作キッチン

オーダーキッチン002浮遊する、無垢の杉板

これも一から全てのことを組み立てることができるキッチンです。

ではオーダーキッチンと何が違うかというと、オーダーキッチンは主にオーダーキッチン屋さんが製作管理(打ち合わせも含む)を行います。

一方の造作キッチンは工務店がハンドリングをして、現場で完成させていくキッチンです。
(オーダーキッチンと同様に)木工所で作るパターンや現場で大工さんが作るパターン、大工さんと建具屋さんの協働によるものなど、コストや仕上げ、材料、工期などを考えて、最も最適な方法でキッチンを作っていきます。

コストは、材料や加工手間や塗装などの人件費、機器類などの仕入れ価格に適正な利益を乗せてご提案しますので、コストコントロールがしやすくなります。

この造作キッチンこそが、我々キッチンマイスターがいる工務店が得意とする分野です。
料理をする場としてのキッチンを作るには家具としてのキッチンだけでなく、電気、ガス、水道、換気、左官、タイル、塗装、内装など建築の全てにかかる職人さんが出入りします。

それを管理しているのが工務店です。

なので、造作キッチンが得意なのは当たり前ですよね。
でも「キッチンはメーカーのシステムキッチンしか扱わない」という工務店が多いのも事実です。

新築だけでなく、キッチンリフォームなどをお考えの方は、是非ともキッチンマイスターがいる工務店にご相談ください。

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その類稀なるデザインセンスで「キッチンを武器にした提案」をし、数々の施主をがっちり魅了し続けているインテリアデザイナー和田氏。 2009年度グッドデザイン賞(株式会社INAXと共同)や、住まいのインテリアコーディネーションコンテスト2013(2013 経済産業大臣賞)その他受賞歴多数。「キッチンをつくる―KITCHENING」ほか著書も多数。