Living Kitchen2019レポートその3


カランとシンクのカラーコーディネート

昨年あたりからキッチンデザインの一番のポイントとなるものが水栓金具の選び方です。
日本では未だにクロムメッキ一辺倒で、一部にステンレス素材が見られるようになりましたが、ゴールド、アンバー、マットブラックなど様々な色の水栓金具が見られるようになりました。
そして、今回のケルンではその水栓金具とシンクの色を合わせるコーディネートが目立ちました。シンク全体まで色をつけなくても、排水口の目皿の色を合わせる。それくらいの意識の高さが目立ちました。

black & gold

昨年のミラノサローネでの流行色はマットブラックで、料理や食材、そこにいる人などをいかに綺麗に見せるかということを考えていたのですが、ケルンではちょっと違っていて、黒を綺麗に見せるために他の色を合わせるという意識が強くなったような気がします。

その合わせる色の筆頭がゴールドです。
もちろんこれもマットです。黒と金色というとなんだか嫌味な成金趣味のような想像をしますが、それぞれをマットにすることにより、上品さを前面に出した高級感を醸し出すことに成功しています。

smoky color & orange color

相変わらずスモーキーカラーが流行です。と日本でいろんな人が紹介していますが、なかなか日本人には馴染まないのでしょうか?流行する気配がありません。

しかし、現地に行った日本人は口を揃えて「この色いいなぁ、使いたいなぁ」と言います。流行らない原因はなんでしょうね?組み合わせ方なのでしょうけど、、、。

横木目の終焉

スライドレールの性能が上がって、横長の引き出しでもスムーズに使えるようになり、より幅広の引き出しが登場するようになり、木目の方向もそれに合わせて横木目になりました。何でもかんでも横木目です。
それが、少しずつですが、縦木目が増えてきました。
横長の引き出しも縦木目です。
横木目だとキッチン全体の木目が通っていないとおかしいのですが(日本のキッチンメーカーは在庫管理の難易度の高さ、歩留まりの悪さがその原因で木目を通す意識がゼロです。)、縦木目だと木目を通すことが楽になります。さらに推察すると木目をランダムに組み合わせるという流れも出て来るかもしれません。

botanical

展示ディスプレイとして必ずグリーンを合わせていましたが、今年はディスプレイではなく、本体にグリーンを組み込んでいます。グリーン一体型のキッチン。魅力的ですね。

キーワードとは関係ないですが、ミニキッチンで面白いものがいくつかありました。

以上、9項目の流れから2019年のLiving Kitchenを見てきましたが、やはりそれが生まれた背景を意識することが大事なポイントです。

だからヨーロッパのキッチンをそのまま日本に持って来ても意味がありません。

かといって今の日本のキッチンは嘆かわしい限り。
もっと日本の生活事情に合った、個々の家族に合ったキッチンがあっていいと思います。

今回のケルンでは斬新なデザインのキッチンには巡り会えませんでしたが、逆にそのことが非常に参考になるキッチンが多い展示会でもあったと思います。
個性的であれ!とは言いませんが、ケルンやミラノのようにバリエーション豊かなキッチンが、もっともっと日本でも増えていけばいいと思います。

そのためにはキッチンのことに詳しい設計者や工務店が増えなければなりません。
今こそ私たちキッチンマイスターの出番です。
あなたの生活に合ったキッチン探しのお手伝いをします。お気軽にご相談ください。

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和田 浩一
その類稀なるデザインセンスで「キッチンを武器にした提案」をし、数々の施主をがっちり魅了し続けているインテリアデザイナー和田氏。 2009年度グッドデザイン賞(株式会社INAXと共同)や、住まいのインテリアコーディネーションコンテスト2013(2013 経済産業大臣賞)その他受賞歴多数。「キッチンをつくる―KITCHENING」ほか著書も多数。