お待たせしました。それではLiving Kitchen2019レポート本編です。

メラミン化粧合板の進化

2011年に復活したLiving Kitchenにクォーツストーンが登場し、それからしばらく展示会を席巻しました。その後セラミックが登場しました。

しかし一方で、実際に家庭に入っているキッチンの半分ほどはメラミン天板だという噂も聞きます。

今年の展示会では半分以上のキッチンがメラミン天板でした。
もっとも高級ブランドが出展していなかったので、その流れになるのは当然なのですが。

日本でも最近のメラミン化粧合板の進化は眼を見張るものがあります。
木目のエンボスが印刷の柄と同調しているメラミンなど印刷技術が進化しています。

我々はフェイク素材を嫌う傾向にありますが(もっとも最近のキッチンやフローリングはほとんどフェイクですが)、ドイツ人はいかに本物に似せたフェイクを作れたかを競っているのだとか。
日本の建材サイズは尺貫法で流通するので、最大サイズが8尺(2,400mm)ですが、ヨーロッパの企画サイズは3mなので、一般的な大きさのキッチンには十分な大きさです。
8尺だと日本で最も売れているキッチンのサイズ2,550mmは取れません。
メラミン化粧合板はクォーツやセラミック、ステンレス、人工大理石などと比べて性能は劣っていますが、決して悪い素材ではなく、30年間問題なく使用されているお宅もあります。

そしてメラミン化粧合板の最大の魅力は安価だということです。日本でももう少し見直されてもいいのではないかと感じます。
どんな素材でもそうですが、その素材の欠点をきちんと把握することが重要なのです。

木目と塗りつぶし、メタル素材との組み合わせ

木目のメラミンと単色、木目のメラミンとメタル素材など複数の素材の組み合わせによって単調ではない、表情豊かなキッチンになります。

もちろん脈略もなく素材や色を組み合わせるのではなく、全体のレイアウトから発想した組み合わせをする必要があります。

FENIXの台頭

数年前からメラミン化粧合板や人工大理石に変わる素材として『FENIX』が出てきました。

厚みや発色の良さなどメラミンのいいところと、強度や加工性の良さといった人工大理石のいいところを合わせた素材といえます。
ウルトラマットな質感と発色の良さ、小さな傷程度なら自己再生できる、一般的なメラミン化粧合板に比べれば高額ですが、人工大理石よりも安価に仕上がるのも大切なポイントです。

何より他の素材にはない独特の表現力がある素材です。

そのFENIXがこれまでの0.9mm厚(この厚みがFENIXをメラミン化粧合板だと誤解されていた原因なのですが)だけでなく10mm厚もラインナップして、よりキッチン天板としての魅力を見せつけた展示会だったと思います。

大理石(もしくは大理石柄)

昨年のEuroCucinaから見られる傾向ですが、大理石柄が流行です。
本物の大理石を使用することもありますが、セラミックやクォーツも大理石柄が中心です。仕上げはもちろんマット。

大きな柄がダイナミックなキッチンデザインを実現させています。

パート2はこの辺り。パート3に続きます。

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和田 浩一
その類稀なるデザインセンスで「キッチンを武器にした提案」をし、数々の施主をがっちり魅了し続けているインテリアデザイナー和田氏。 2009年度グッドデザイン賞(株式会社INAXと共同)や、住まいのインテリアコーディネーションコンテスト2013(2013 経済産業大臣賞)その他受賞歴多数。「キッチンをつくる―KITCHENING」ほか著書も多数。