意外と目立つ、レンジフード
改めて目の前のキッチンを見てください。
レンジフードが結構目立ってませんか?
レンジフードは目線のちょっと上にあるので、相当な存在感となって視界の多くの部分を占めていると思いませんか?
つまり、レンジフードの選び方がキッチンのデザイン(=空気感、存在感)を決める重要な要素だということに気づきます。
1990年代中頃まで、レンジフードといえばブーツ型が主流でした。たまにいくつかのメーカーから違った形状のものが出たこともありましたが、バリエーションも少なく、代わり映えしないものばかりでした。
1994年、当時の松下電工からエットレ・ソットサスがデザインしたシステムキッチン「COCO」が発売されました。
そのキッチンでデザインされたレンジフードは今流行のスリムタイプ(とはいっても今ほどスリムではありませんが)の源流にあたるもので、とても新鮮で魅力的に見えました。
しかし当然ながら松下電工のキッチンにオプション設定されているものであり、オーダーキッチンに採用されることはありませんでした。
そこに1996年、「クックフードル」のブランドでマントル型のレンジフードが登場します。
これまでとは全く違う新鮮な形、一気にヨーロッパの雰囲気に持って行ってくれる存在感などがあり、オーダーキッチンでは多く採用され、当時のキッチンを席巻していたこともあるくらいに人気でした。
しかしある時、自分がデザインした、クックフードルを採用したオーダーキッチンを見ていて、ふと感じたことがあります。
『このキッチンをデザインしたのは誰だっけ?』
機能だけでなく、その存在感を意識したレンジフードの機種選びをする
そう、キッチン本体を含め、空間全体のデザインをコントロールしているのは自分であるはずなのに、自分がそこにいないような。
レンジフードの存在感が強すぎて、すべてのデザインが引っ張られてしまっているのです。
違う見方をすれば、デザインをあまり考えなくてもこのレンジフードを採用しておけば、見栄えがいいキッチンが完成してしまうのです。
その時からレンジフードの存在感を意識するようになりました。
以前に比べると、今のレンジフードはよりスリムに、おしゃれに、カッコよくなっています。
それだけで全てが台無しになるようなかっこ悪いデザインのレンジフードはほとんど見かけません。
そう、レンジフードのデザインがキッチンデザイン全体に与える影響は小さくありませんから、これからは機能だけでなく、その存在感を意識したレンジフードの機種選びをしなければなりません。
形状、色、素材、仕上げ、ダクトカバーの大きさ(太さ)、照明の色、整流板の有無など。
もちろん、換気をするための機械ですから、性能や機能も忘れてはなりません。
換気量、清掃性、照明の明るさなど、そのレンジフードが持っている性能に加え、排気ダクトの経路と長さ、吸気との関係など、建築との関連も重要なポイントです。ひとつ間違うと重大な事故につながる可能性がある部分ですから、慎重な機種選び・換気計画が求められるのも確かです。
私たちキッチンマイスターは手に入る全ての可能性の中から、お客様のご要望に合ったキッチンをレンジフードも含めてトータルであなたのキッチンをご提案します。
まずはキッチンマイスターがいる工務店にご相談ください。
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