ひとりひとり「適したキッチンの大きさ」が違う

今時のシステムキッチンはサイズのオーダーはできませんから、メーカーから提案される大きさが当たり前だと思っている方が多いでしょう。

幅が240、255、270センチ、奥行きは65センチ、天板の高さが85センチ。

この中でも最もくせ者なのが高さです。規格の85センチだと身長の低い方にとっては極端に高く、非常に使いづらいと感じるでしょう。
逆に身長の高い方はもうちょっと高くした方がよさそうです。

キッチンの最適な高さを求める公式として「身長÷2+5センチ」は有名です。

そこから逆算すると、85センチというのは身長160センチの人にとって最適な高さといえるでしょう。
しかしそれだけではダメで、人間には様々な体型的特徴(手足が長いとか)を加味しなければなりません。
また、日常的にスリッパを使用されている方はそのスリッパの厚みも上記の高さに加えた方がいいでしょう。

一つの公式で導きだされがちなキッチンの高さですが、実は調理作業に最適な高さはシンクと作業台、加熱機器のところで違います。
加熱機器においてもガスコンロにするかIHヒーターにするかでも違ってきます。
IHヒーターはほぼフラットですから天板からせいぜい1センチ程度しか高くなっていませんが、ガスコンロは必ず五徳がありますから、5センチほど高くなります。
ヨーロッパのガスコンロのようにバーナー部分が埋まっていて、フラットに納まるような機器があればいいのですが、残念ながら日本には入ってきていませんし、国内メーカーでも発売されていません(何度か提案してみたことはあるのですが)。

一昔前はシンク部分とコンロ部分に段差を付けることで高さの差を解消していましたが、最近はフルフラットのオープンキッチンが流行っていますから、段差を付けるとその分天板の使える部分が狭くなることもあって、あまり見なくなりました。
見た目にもシンプルではなくなりますからね。


写真のキッチンは先日納めた物件です。五徳の高さの分だけ段差を付けました。

使った天板はDEKTONというセラミック系の素材で、非常に熱に強いため熱い鍋をそのまま乗せることもできます。
また耐摩耗性にも優れていますから、鍋を火から下ろして直接天板の上にスライドさせることも可能です。

適切な高さのキッチンにするということ

シンプルなアイランドキッチンでは難しいのですが、L型やⅡ列型ではシンクとコンロの高さを無理なく変えることが可能です。
たとえばこの写真のキッチンでは、シンク側の高さは 86センチ、コンロ側は80センチです。でも全く違和感ありませんよね?
適切な高さのキッチンにするということは、正しい姿勢で調理作業が行えるということです。
そうすることで、キッチンでの安全性は格段に向上します。
そしてなによりも正しい姿勢でつくられる料理は必ず美味しくなります。

私たちキッチンマイスターはキッチンのことをきちんと学んでいます。きっとあなたに最適なキッチンをご提案できると思います。

オーダーキッチンといっても決して高い物ばかりではありません。お気軽にご相談ください。

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和田 浩一
その類稀なるデザインセンスで「キッチンを武器にした提案」をし、数々の施主をがっちり魅了し続けているインテリアデザイナー和田氏。 2009年度グッドデザイン賞(株式会社INAXと共同)や、住まいのインテリアコーディネーションコンテスト2013(2013 経済産業大臣賞)その他受賞歴多数。「キッチンをつくる―KITCHENING」ほか著書も多数。