実は…「システムキッチン」という呼び方は日本だけ

ご存知でしたか?「システムキッチン」という呼び方は日本だけなんです。
ヨーロッパやアメリカでは「オーダーキッチン」と表現しています。

システムキッチンのはじまり

日本のシステムキッチンは、1973年にクリナップがドイツの「ビルトインキッチン」という考え方を参考に作ったのが始まりだと言われています。
当時のシステムキッチンは、150mmモジュールのキャビネットに扉や引出しなどたくさんのバリエーションを持たせ、それらを自由に組み合わせてもきれいに見えるように構成されたシステムでした。
しかし1990年代に入り、扉や引出しのバリエーションは全くなく、選べるのは(極端に言うと)天板や扉の色や柄のみという「簡易施工型システムキッチン」と呼ばれるキッチンが登場することにより、価格が一気に下がったこともあり、爆発的に普及しました。

それ以前のキッチンは、各ユニットを並べ、隙間をアルミテープなどで塞いでいた「流し台(セクショナルキッチン)」でしたから、「天板が一枚で繋がっているのがシステムキッチン」と間違った解釈をされることもありました。

この簡易施工型システムキッチンに対して、従来までの組み合わせ自由なシステムキッチンは「部材型システムキッチン」と使い分けていました。
しかし、だんだんと簡易施工型システムキッチンが主流になり、システムキッチン=簡易施工型システムキッチンのことを指すようになりました。

つまり今のシステムキッチンは、システマチックな商品構成を持つキッチンではなく、メーカーがシステマチックに監理できるキッチンという意味なのです。

部材型システムキッチン=オーダーキッチン

しかしヨーロッパやアメリカのメーカーキッチンのほとんどが「部材型システムキッチン」であり、彼らはそれを「オーダーキッチン」と呼んでいます。
お客さんの要望、予算、間取りに合わせてパーツを組み合わせていくプランニング手法は、日本では一部のシステムキッチンメーカーかカスタマイズのキッチンメーカー、もしくはオーダーキッチンでしか見られなくなりました。
私たちが推奨しているのはもちろん、オーダーキッチンです。各家庭のライフスタイルに合わせたキッチンをご提案できるからです。

しかし、残念ながら多くの方々がオーダーキッチンは高い!と思っていらっしゃいます。

確かに大量購入、大量生産でのスケールメリットはありませんが、すべての可能性の中から適切な設備機器を選択したり、家具屋さんでなく大工さんで作ることも検討したり、コストを抑える方法はいくらでもあります。
そうすることにより、それ以上でもそれ以下でもない、各家庭に最適なキッチンが実現できます。

私たちキッチンマイスターは工務店ですから、いろんな業者と連携して住宅を作っていますし、一般的な工務店では知らない、キッチンの情報やノウハウを持っています。どうぞ、安心してお気軽にご相談ください。

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その類稀なるデザインセンスで「キッチンを武器にした提案」をし、数々の施主をがっちり魅了し続けているインテリアデザイナー和田氏。 2009年度グッドデザイン賞(株式会社INAXと共同)や、住まいのインテリアコーディネーションコンテスト2013(2013 経済産業大臣賞)その他受賞歴多数。「キッチンをつくる―KITCHENING」ほか著書も多数。