街を挙げてのお祭り騒ぎのミラノサローネに比べて、immはメッセ会場だけで開催しているので街は静かなものです。

さて、メッセ会場には駅からは南入口から入ります。
会場内は下図のように分かれており、この中で4-1、4-2、5-2の3フロアがキッチンに充てられています。

ミラノのメイン会場と違って、キッチンメーカー、アプライアンスメーカー、素材メーカーの展示が混在しています。より実験的、新しい技術の発表の場であるミラノと違って、完全に商談の場として位置づけされているようで、刺激は少ないものの、今すぐにでも家庭に納品できるようなキッチンが中心に展示されています。

一番驚かされるのは、その展示方法です。

キッチンだけを展示している日本と違って、きちんと「ライフスタイル」を提案展示していることです。
ダイニングやリビングの背景としてキッチンがある。そんなあたりまえの提案なんです。

「それぞれの食生活をデザインする」


そうやって展示を観察していると、ダイニングスペースの場所がどんどんキッチンに近づいていることに気付きます。
ほとんどのキッチンにカウンター式の食事する場所がくっついていて、ダイニングの存在感がLDKのポイントになります。
日本でもカフェスタイルの流行で普段の食事はキッチンで、ゆっくりした食事はリビング(ソファー)でといったスタイルが見られるようになりました。

「それぞれの食生活をデザインする」ずっと言ってきたことですね。

ノイズレスデザイン

デザインの傾向としては、昨年のEuroCucina2016からの流れですが、「ノイズレス」というキーワードが浮かび上がります。
少しでも余計な線を消すデザインです。
徹底的に隠す収納を実践していますが、一方で見せる収納も見られます。

もちろん住まい手のセンスよるところが大きい「見せる収納」ですが、それが成功するポイントは見せるものと隠すもののルール付けをしっかりさせることです。
そのルールをしっかりさせることは、住まい手のセンスが上がっていくことにも繋がります。

素材のトレンド

一時期、ヨーロッパの展示会では「クォーツストーン」と呼ばれる人工大理石が一大ブームでした。
日本でもオーダーキッチンではかなり認知度が上がって来たのですが、一昨年のLiving Kitchenからセラミックに移りました。

今回のケルンではひとつもクォーツストーンは見られず、天板はセラミックと高圧メラミンのオンパレードでした。

色のトレンド


色のトレンドは「スモーキーカラー」と呼ばれる少しグレイッシュなパステルカラーです。これはキッチンだけでなく、家具やインテリア(ブースの基調色)として多用していました。
このスモーキーカラーとナチュラルオークやダークグレーを合わせます。

やはり、ヨーロッパのキッチンは日本のキッチンとは全く違いますね。

もちろんそのまま日本の家に導入できるとは思えませんが、いろいろなキッチンを見て、触って、感じて、そのエッセンスを吸収することで、世界にひとつだけのキッチンをご提案できるのだと思っています。

だから、私たちキッチンマイスターはキッチンのプロとして、こうして情報収集を欠かさないのです。
キッチンのことなら是非ともキッチンマイスターにご相談ください。

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和田 浩一
その類稀なるデザインセンスで「キッチンを武器にした提案」をし、数々の施主をがっちり魅了し続けているインテリアデザイナー和田氏。 2009年度グッドデザイン賞(株式会社INAXと共同)や、住まいのインテリアコーディネーションコンテスト2013(2013 経済産業大臣賞)その他受賞歴多数。「キッチンをつくる―KITCHENING」ほか著書も多数。