キッチンマイスターとドイツ視察旅行

今回のドイツ視察旅行は6名のキッチンマイスターの皆さんと行きましたが、ケルンに行く前にキッチンアプライアンスで有名なMieleの博物館や工場を見学してきました。

デュッセルドルフ空港からアウトバーンで2時間ほど走ったところにあるギュータースローという小さな街にMieleの本社があり、博物館は本社の1階に併設されています。ほとんどの工場も本社から車で3~40分以内のところに存在しています。

Mieleの創業は1899年。
意外にも農業用機械からスタートしています。牛乳を遠心分離でバターを作る機械です。

手回しの小さな回転を高速回転に変換する知恵と技術がここに導入されます。

そこから洗濯機の開発がスタートします。もちろん最初は手動です。前後の動きを回転運動に変換する技術などが既に見られます。

洗濯機が電動式になる頃に「デザイン」を意識するようになったそうで、最初の頃はアメ車のフロントグリルをモチーフにした洗濯機を作っています。
これがMieleが最初に作った食器洗浄機。

また、Mieleが自転車やオートバイ、自動車まで開発・製造していたことに驚きます。しかも世界で初めてシャフトドライブ式の車を作ったのがMieleだそうです。よく考えたら、回転運動という意味ではすべて繋がってきますね。

『IMMER BESSER』=『常によいものを』

博物館でMiele社の歴史、こだわりなどを見た後は、洗濯機、食器洗浄機、加熱機器、掃除機のラインを2日間かけて見学しました。
工場内は撮影不可なので写真はありませんが、作るものに合わせた工場の機械、手作業とオートメーション(ロボット技術)の使い分け、徹底的した生産管理、品質管理、チェック体制は見事です。故障が少ないのもうなずけます。

Miele社のモットーは『IMMER BESSER』です。
英語に直すと『BETTER AND BETTER』、つまり『常によいものを』ということで、隅々まで徹底しています。
製品はもちろんのこと、サービスに関しても『IMMER BESSER』が徹底されています。

二日目の最後にMiele本社に戻ると現社長のDr.Mieleとご対面です。
お忙しい中、わざわざご挨拶に出てこられ、みんなで記念撮影です。
こういったホスピタリティが社員にも伝わり、いい製品が生まれ、いいセールスに結びつくんだなぁと関心しきりです。
そりゃあ世界中にMieleファンが拡がるはずですよね。
ある意味サービス業である我々も、見習わなければならないことです。

ちなみに、ずっと説明をしてくれたトーマス氏(写真でひと際大柄な男性)は、おじいちゃんの代から3代に渡ってMiele社員だそうで、誰よりもMieleのことをご存知です。
でも彼の息子さんはMieleに入社しなかったらしく、とても残念がっていました。
それほどに社員に愛される会社なんですね。

もちろん私たちはMiele社の製品だけを扱っているわけではありません。
お客様に合わせたメーカー、ブランドをおススメするようにしています。
そのためにも各社の特徴や背景を知って置かなければなりません。

キッチンに関することはレイアウト、素材、キッチンアプライアンスなど、なんでもキッチンマイスターにご相談ください。

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その類稀なるデザインセンスで「キッチンを武器にした提案」をし、数々の施主をがっちり魅了し続けているインテリアデザイナー和田氏。 2009年度グッドデザイン賞(株式会社INAXと共同)や、住まいのインテリアコーディネーションコンテスト2013(2013 経済産業大臣賞)その他受賞歴多数。「キッチンをつくる―KITCHENING」ほか著書も多数。