外から見ても美しいキッチンとは

前のコラムにも書きましたが、今はオープンキッチン全盛時代です。
猫も杓子もオープンキッチン。
他に知らんのかい!!と突っ込みを入れたくなるほどにキッチンがダイニングやリビングと一体の空間に存在し、その存在感を主張しています。

しかし、考えても見てください。キッチンを使ってる時間ってどれくらいでしょう?
毎食ちゃんと作っている家庭でもせいぜい2〜3時間、洗濯機や家事コーナーがキッチンに併設されている家庭で4〜5時間といったところでしょう。

つまり、一日の大半はキッチンを外から見ていることになります。
ましてやご主人やお子さんなど、食事の準備をされない家族からすると、キッチンに入る時間はほとんどないと言ってもいいでしょう。

だからこそキッチンはしっかり作りたい。
キチンと考えたいものです。

よって、キッチンは『美しく』なければならないと考えます。
では、美しいキッチンとはどのようにして作られるのでしょう。
美しいキッチンを作るために大事な事柄がいくつかあります。

風景

風景とは
■1.目の前に拡がるながめ、景色。
■2.その場の様子、情景。
のことを指します。

それをそのままキッチンにあてはめると、
■キッチンから見える風景
■キッチンが見える(キッチンとヒトを含む)風景
ということになります。

前者は使う人の「気持ちよさ」や生活スタイルに繋がり、作業効率や安全性を上げる効果も期待できます。後者は主に住まい手の生活スタイルに作用し、家族間のコミュニケーションやシアワセ感に繋がります。

ではその『風景』を美しくするための注意点をいくつか挙げていきましょう。

自分に合った色を選ぶ


まず一つ目のポイントは『色とツヤ』です。自分に合った色を選ぶということです。
人にはそれぞれパーソナルカラーを持っています。自分に合わない色の服を着ると顔がくすんで見えたり、元気がないようにみえますよね。それと同じで自分に合わない壁や背景の前に立つと元気がなく見えてしまいます。
やはり素敵な笑顔でいられるためには、きちんとコーディネートされた壁にするべきです。
ひとことで「白」といっても、純白から薄いグレー、青みがかった白、オフホワイトといろんな白がありますよね。
他にも濃いグレーの壁でもちょっと色を足すだけでかなり雰囲気が変わりますし、ロイヤルコペンハーゲンの青と紺色、空色では全く違う「青」ですよね。

このように、ちょっとした色の違いでずいぶん雰囲気は変わりますから、インテリアの色選びは慎重に行いたいものです。
また、色を選ぶときにツヤも気にしたいところです。ツヤ消しとツヤ有りでは雰囲気も変わりますし、また照明の反射率も変わります。
特にキッチンや家具の扉の仕上げのツヤはもっとも気をつけたい場所です。壁だけでなく、他の家具や照明、置物などの調度品と合わせて計画することを心がけましょう。

キッチンマイスターはキッチンに関する優秀なコンサルタントです。
是非相談してみて下さいね。

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その類稀なるデザインセンスで「キッチンを武器にした提案」をし、数々の施主をがっちり魅了し続けているインテリアデザイナー和田氏。 2009年度グッドデザイン賞(株式会社INAXと共同)や、住まいのインテリアコーディネーションコンテスト2013(2013 経済産業大臣賞)その他受賞歴多数。「キッチンをつくる―KITCHENING」ほか著書も多数。