前回のコラムで、キッチンをキッチンっぽく見せる元凶三兄弟を『冷凍冷蔵庫』『レンジフード』『吊戸棚』と書きました。
今回はそのなかのレンジフードのことを掘り下げてみようと思います。
レンジフードの歴史
二昔前のブーツ型一辺倒の頃と比べて、レンジフードのデザインもずいぶんきれいになりました。
CookHoodle(クックフードル/http://www.cookhoodle.com)がその道筋を作り、
ARIAFINA(アリアフィーナ/http://www.ariafina.jp)がデザインフード市場を確立し、
その他のメーカーも競うようにデザインフードを発売するようになりました。
我々としては選択肢の巾が広がるのはいいことですね。
特に最近は吊戸棚がないプランも多く見かけるので、レンジフードのデザインが空間のイメージを担うポイントとしてよりいっそう重要になってきます。
しかし、デザインだけでレンジフードを選んではいけません。
レンジフードはあくまでも室内の換気が目的ですから、その用途を忘れてはいけません。
レンジフードを選ぶ基準
レンジフードを選ぶ基準として、風量を見てください。
キッチンでは「火気使用室における必要換気量」の計算が法律で義務づけられています。
細かい計算は省きますので、キッチンマイスターに聞いてみてくださいね。
ここで算出された必要換気量は、あくまで室外に出ていく量であり、カタログのスペックは吸込む風量を現していますから注意が必要です。
最近のレンジフードのほとんどがシロッコファンを使用しているので、排気が外に出る部分には雨や虫の侵入を塞ぐための「外部フード」というパーツを付けます。
しかしこの外部フード、あまりかっこいいものではありませんよね。できれば家の顔になる部分に配置したくありません。
そこで裏の方まで排気ダクトを伸ばすことになりますが、このシロッコファンというのは吸込み口から出口までの距離が長くなればなるほど風量が弱くなります。
ですから、あまりダクトの距離が長くなるような計画は避けなければなりません。
もちろん、よほど特別な事情がない限り、一般的なレンジフードであれば問題が起こることはありませんが、ダクトの長さと経路には注意が必要しましょう。
他にも整流板、遠心力でオイルを飛ばして掃除を楽にする機能、下からファンをはずして丸洗いできるなどのお掃除楽々機能も選ぶ基準になります。
また、IHクッキングヒーターであれば、空気を汚すことがないので「室内循環式」という高性能の空気清浄機のようなレンジフードもあります。これだと室内の空気を外に出すことがないので、空調エネルギーの節約になります。
このようにいろいろな選択基準があるレンジフードですが、最後にもうひとつ気をつけなければならないことがあります。
いくら風量が大きくても給気をきちんとしなければ意味がありません。寒いからと言って給気口を塞いだりしないようにしましょう。
私たちキッチンマイスターはオーダーキッチンと工事のプロです。
機種の選定からダクトの経路などきちんと学び、一般的な工務店では真似できないノウハウを持っています。どうぞ、安心してお気軽にご相談ください。
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