キッチンはもっと自由であるべきなのです

前にも書きましたが、最近のシステムキッチンや一部のオーダーキッチンは定型かと思うくらい判で押したような形状をしています。
救いと言えば、オーダー キッチンの扉の素材や仕上げが個性的なくらい。

でも考えてみてください、10の家族があれば10の食生活があるわけですから、『キッチンをデザインしてはいけない、食生活をデザインする!』という考え方でいくと、この状況は矛盾だということになります。
そう、そこが我々キッチンマイスターが憂慮していると ころです。

キッチンはもっと自由であるべきなのです。「こうでなきゃいけない!」という常識にとらわれないようにしましょう。

キッチンをもっと自由にするためにはどうすべきか


キッチンをもっと自由にするためにはどうすべきかを考えました。

まず、キッチンの構成要素を分解してみます。
すると、キッチンの基本要素は『火』と『水』と『作業(包丁)』と『収納』の4つしかないということが分かります。
もちろん使い勝手や清掃性などの「機能」は大事ですが、それは次の段階になります。

この4つの基本要素を眺めるとあることに気付きます。『火』と『水』と『作業(包丁)』はワークトップの上で行われますが、『収納』はワークトップとはほとんど関係ないのです。
システムキッチンはワークトップと同じ大きさの収納(キャビネット)がセットになっているのでそこに気付かないのです。

ほら、『収納』を別に考えるだけで足枷が一つ外せましたね。

ではキッチンを再構築してみましょう。

「水」と「火」と「作業」


まず『水』つまりシンクと水栓です。
キッチンで行われる作業のなかで比較的長く、かつ「ながら」作業が可能なところです。
たとえば景色がいいところや家族の様子を見守ることができるところなどに配置します。


次に『火』です。焼き魚が多いとか、揚げ物が多いなど料理の志向で場所を決めましょう。煙が多い料理が多い家庭はアイランド側ではなく壁側がいいでしょう。


最後に「作業」するところは、先のふたつの位置関係を考慮して決めます。
一般的には「火」と「水」の中間地点に置くことが多いのですが、そんな規則はないですから、どこに置くかは全くの自由です。
たとえばヨーロッパのキッチンではシンクとコンロが隣接している事例もよく見かけます。
つまりは料理のスタイルが そのまままキッチンに反映されるわけです。

その「火」と「水」と「作業」の場所をワークトップでつなげれば、最低限の機能を持ったキッチンが出来上がります。

そして「収納」ですが、こうしてできたキッチンとは別に、LDKという空間全体の中での収納計画として考えます。
適材適所、使い勝手、奥行き、ダイニングテーブル、ソファー、AV機器なども含めての計画とします。

これであなた仕様のキッチンが完成するはずです。

ほら、簡単でしょ。

ほら、自由でしょ。

ここでは長方形であることも、幅が255センチであることも一切関係ありません。

もちろん、法規や構造、機器類の制約など、細かく検討しなければならないところはあります。
しかしその辺はプロに任せて、「自分がどういう食生活を送りたいのか」の今と将来を考えてください。

私たちキッチンマイスターは空間づくりのプロであり、オーダーキッチンのプロでもあります。私たちといっしょにあなたスタイルのキッチンをつくりませんか。

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その類稀なるデザインセンスで「キッチンを武器にした提案」をし、数々の施主をがっちり魅了し続けているインテリアデザイナー和田氏。 2009年度グッドデザイン賞(株式会社INAXと共同)や、住まいのインテリアコーディネーションコンテスト2013(2013 経済産業大臣賞)その他受賞歴多数。「キッチンをつくる―KITCHENING」ほか著書も多数。