システムキッチンの歴史

以前にこのコラムでも書いていますが、わたしが5~6年前から言い続けていることが
ようやく認知されるようになってきたようです。

システムキッチンが日本に紹介されたのは1973年のことです。
クリナップが東京のショールームに試作品として展示したのが始まりだと言われています。
そのキッチンはドイツのビルトインキッチンと呼ばれるシステムを参考(ほとんどそのまま)につくられていたそうです。

しかし、システムキッチンがここまで広く普及したのはもっと後、1990年代前半です。
簡易施工型というシステムとは呼べないローコストな規格品のキッチンが発売されてからです。

当時は「システムライクキッチン」なんて呼ばれ方もされていました。
なので、当時に植え付けられた「天板が一枚で繋がっているのがシステムキッチン」という間違った認識が一般化し、「システムライクキッチン」(=システム キッチン風キッチン)もいつの間にか「システムキッチン」に昇格して、当たり前のように「システムキッチン」と呼ばれています。

ちなみに「システムキッチン」は日本だけの呼び方で、欧米では単に「キッチン」と呼ばれることが多く、家庭のキッチンはつくる物だという概念が当たり前にあります。
そして「システムキッチン」という言葉が一般化した2000年頃、同時にオープンキッチンというスタイルも注目されはじめ、同時に『コミュニケーションキッチン』とも言われるようになりました。

これまで暗く閉ざされた空間だったキッチンがダイニングやリビングに開かれ、食事という行為を通して家族とのコミュニケーションを重視する機会が増えてきたことに由来します。

それから15年近くの年月を経て、「コミュニケーション」は当たり前になっていますから、
そこを声高に言う必要はなくなっています。

では次に何を考えなければならないのか!?


これが冒頭にも書きました私が以前より言い続けてきたことで、次に考えなければならないのは「ライフスタイルキッチン」だと思います。

食生活を中心として、各家庭の生活スタイルは多様化しています。

何回か前のコラムでも書いていますが、最近では「システムキッチン」もしくは「システムライクキッチン」がほとんどの家庭に普及しています。しかも古い物件だと20年を経過しているものもあり、そろそろ取り替えをお考えの方も多くいらっしゃると思います。

これからのキッチンを「マイスタイルキッチン」と呼ぶことにしましょう!

では次に何にするのか。
ひとくくりに「システムキッチン」と呼んでいますが、実はその中身は多様化しています。

輸入キッチンや IKEAやAEONなどのカスタマイズキッチン、それからいつも私たちがお勧めしている造作キッチン(オーダーキッチン)もちょっと前に比べると広く一般 の方に認識されるようになりました。そのどれを選択するのかは各家族のライフスタイルによって決められます。

残念なのは、大手メーカーのシステムキッチン以外の選択肢もあるということを知らない方も多いことです。
工務店さんの中には、キッチンはショールームで決めてもらって、買ってくるものと思っているところもあるのは事実です。

しかし、私たちキッチンマイスターは工務店ですが、キッチンのことが得意な工務店です。
もちろんメーカーのシステムキッチンも取り扱いがありますが、造作やオーダーキッチンも得意としており、そのノウハウを熟知しています。

それぞれのご家庭のことなどをよく考えて最適なご提案ができるように勉強をしています。
ですので、オーダーキッチンだからと臆せず、キッチンのことなら何でもご相談ください。

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その類稀なるデザインセンスで「キッチンを武器にした提案」をし、数々の施主をがっちり魅了し続けているインテリアデザイナー和田氏。 2009年度グッドデザイン賞(株式会社INAXと共同)や、住まいのインテリアコーディネーションコンテスト2013(2013 経済産業大臣賞)その他受賞歴多数。「キッチンをつくる―KITCHENING」ほか著書も多数。