これから家を新築する予定で、料理が好きな人なら、ぜひこだわりたいのがキッチンです。
おしゃれなキッチンにしたい、使いやすいキッチンにしたいと、あれこれ夢がふくらみます。
キッチンは実用的な場所なので、間取りなどをしっかり考えて作らないと不満の原因にもなります。

ここでは、実際の失敗例を挙げつつ、上手な新築キッチンの作り方を紹介します。

キッチンに対する不満あれこれ

まず、キッチンに対してどのような不満を持っている人がいるのか紹介します。

不満その① 収納スペースが足りない

収納については、キッチンの収納力と食器棚などの収納力とが問題です。キッチンはストックするものが多いのが特徴で、日々いろいろな食品が持ち込まれます。また、鍋などの調理器具や食器類も多いので、家の中でも収納場所を多めに確保することがポイントになります。

「形やサイズの異なる調理器具をうまくしまえない」
「お米などのストックを置いておく場所が足りない」
「家族が増えたら食器が入りきらなくなった」 という不満がよく聞かれます。

不満その② キッチンが狭い

キッチンが狭いというのもよくある不満です。
調理の際には、食材を冷蔵庫やストッカーから出したり、お皿を食器棚から出したりと、あちこち動き回ることになります。そのため、十分な広さを確保しないと、動きにくいキッチンになってしまいます。

狭いキッチンは、使いにくいキッチンにもつながります。作業スペースが小さすぎて調理しにくかったり、調理中に家族がキッチンに入ると動きにくくなったりすることがありえます。

不満その③ 寒いor暑い

また、キッチンが寒い、暑いといった不満も少なくありません。
戸建て住宅の場合は、キッチンがある方角によっては冬場足元がとても冷えることがあります。

逆に夏場は、キッチンに窓がないと、ガスコンロの火でキッチンが非常に暑くなってしまうこともあります。こちらは特にマンションに多いようです。

不満その④ 掃除がしづらい

掃除がしにくいという不満もあります。
キッチンは換気扇やガスコンロなど、汚れがつきやすいものが多い場所です。シンクなどの水回りも、毎日掃除しないと汚れが蓄積しやすいところです。

人気のあるカウンターキッチンなどは、リビングからキッチンが見えるのできれいにしておきたいところですが、なかなか掃除が行き届かないという不満の声が聞かれます。

新築で作ったキッチンの失敗例

ここで、新築で作ったキッチンの失敗例をいくつか紹介しましょう。

対面キッチンの失敗

まず、壁付けのキッチンではなく、対面のカウンターキッチンにしたら、狭くなってしまったというケースがあります。

カウンターキッチンは、実は、壁付けキッチンよりも広いスペースが必要です。家族の顔が見えるキッチンなので近年は特に人気がありますが、十分なスペースを確保できないと使いにくくなってしまうことがあります。

ワークトップと身長の関係

シンクやワークトップなどの高さが自分の身長に合わなかったという失敗も少なくありません。

キッチンカウンターの高さは1種類ではなく、使う人の身長に合わせて選べるようになっています。

一般的に、身長÷2+5cmが理想のカウンターの高さだといわれています。

これを知らずにキッチンを選んでしまうと、ストレスを感じながら調理しなくてはならなくなります。

ワークトップとシンクの大きさにも注意

シンクを大きくしたら、作業をするワークトップが小さくなってしまって調理しにくいという例もよく聞きます。

キッチンスペースは限られているので、シンクを大きくしてしまうと、そのぶんワークトップを小さくせざるをえません。

ワークトップは食材をカットするだけでなく、食材を一時置きしたり、できあがった料理を置いたりもするので、狭いと調理に非常に不便です。

作業動線の失敗

作業動線を考えて設計しなかったために、冷蔵庫やコンロの場所が悪く、調理しにくいキッチンになってしまったという例もあります。

冷蔵庫から食材を出して、シンクで洗い、ワークトップで包丁を入れて、コンロで調理する という一連の流れがスムーズにできないと、料理がとても面倒です。

夫婦とも料理するのが好きで、一緒にキッチンに立ちたいと思っていたのに、2人で使うには狭すぎたというケースもあります。

逆に、おしゃれで広いアイランドキッチンにしたら、キッチンが丸見えなので、収納が少なかったり、汚れが目立ったりして困ったという例も少なくありません。

成功するキッチンづくりのポイントとは?

使いやすいキッチンの間取り

キッチンづくりを成功させるには、いくつか重要なポイントがあります。

まず、キッチンを作る際に忘れてはならないのが、使いやすさです。せっかく家を建てるならなら、使いやすいキッチンの間取りを考えることが大事です。

ワークトライアングルを考える

キッチンのレイアウトでよく使われる言葉に、ワークトライアングルというものがあります。

冷蔵庫など貯蔵する場所、シンクやワークトップなど下ごしらえをする場所、コンロなど調理する場所の3つの場所を、もっとも効率的に結ぶという考え方です。

ワークトライアングルでは、3点はそれぞれ120cm以上離れていることが、スムーズに調理を行う上で大事だとされています。

全体としては、3つの場所を結んでできる三角形の辺が合計で400~500cmに収まるようにすると、快適に作業できるといわれています。

ただし、この間隔はあくまで1人で調理することを前提とした計算なので、家族でキッチンに立つ場合にはもう少し広いほうが動きやすいでしょう。

また、調理の際に動きやすくするために、通路幅は90cmは確保しておきたいものです。これよりも通路が狭いと、調理しているときに家族がキッチンにスムーズに出入りできません。

キッチンでは作業スペースのバランスが大事なので、実際の使い方をイメージしてから設計するとよいでしょう。

いつでもどこでも重要な「収納」

次に、収納を多めに作るのもキッチンづくりを成功させるための大きなポイントです。

収納が少ないという不満を持っても、後から収納をプラスすることはなかなか難しいので、最初から収納をきちんと確保することが大切です。

キッチンは家の中でもごく狭い場所なので、限られたスペースをいかに上手に使うかがポイントになります。

たとえば、シンクの上の空間を活かしてつり戸棚を設置したり、シンク下に収納をしっかり確保したりして、空間を上手に活用します。

食材のストックを保管する場所としては、スペースが取れるならパントリーを設けるのが便利です。そこまで空間に余裕がない場合には、床下収納という方法もあります。
掃除がしにくいという点については、できるだけ自分で掃除をしなくてよいキッチンにすることが重要です。

たとえば、シンクとカウンターの隙間をなくすことで、汚れを溜まりにくくなります。特殊コーティングで汚れにくくしたワークトップや、一体成形の排水カゴなどは、掃除が楽でとても便利です。

掃除のしにくさで悩む人が多いレンジフードも、フィルターとファンを自動洗浄するものや、汚れを自動で集める機能がついたものなどが出ています。こうした便利な機能がある設備を使えば、掃除のストレスはかなり軽減されるでしょう。

失敗例から学んで不満のないおしゃれなキッチンを作ろう

料理好きの人が家を新築するなら、おしゃれなキッチン、美しいキッチンにこだわりたいという人はたくさんいます。

ただし、キッチンは実用的な場所であることも忘れてはなりません。狭いスペースにたくさんの物が集まり、あちこち動き回ることが想定されているスペースですから、収納や作業動線をしっかり考えて、快適に使えるよう工夫することが大事です。

既成品のキッチンでは満足いかないことも出てくるでしょう。そんな時はキッチンアカデミーにご相談ください。

オーダーキッチンはもちろんのこと、「お家を建てる」ことに対しても皆さんのお悩み・ご相談に乗ることが出来ます。

作ってから「こうすればよかった…」と後悔することがないようによくよく考えて、理想のキッチンを作ってくださいね。

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